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2007年12月 8日 (土)

「青葉の楓」

B07120007

むかし…

京の僧が関東に旅立つ。

鎌倉から、六浦の津へ、

安房清澄山に詣でようと、船待ちの間、称名寺に立ち寄る。

時、まさに紅葉たけなわの候、だが…

本堂の傍らにある一本の楓だけが、青々としている。

不審に思った旅の僧は里の女にその仔細をたずねるに…

「むかし、冷泉為相卿、訪ねしおり、山々がまだ青葉なのに、

この楓だけがみごとに紅葉しているのをご覧になって、

~いかにして この一木に しぐれけん 

                     山に先立つ 庭のもみじ葉~

とお詠みになりました。それ故、この楓は誉れに思い、

もはや、思いを遂げたので、身を退こうと、

これより後、紅葉をやめたのです」

「これは不思議。して、それほどこの楓の心がわかるあなた様は」

「何を隠そう、私こそ、この楓の精。今宵、ここで経を唱え下さるなら、

私は再び、現じましょうぞ」と。

その夜、旅の僧が月下、読経すると、

楓の精が現じ、朗々と詠い舞い続ける。

やがて、夜も白む頃になると朝霧のなかに消えていくのであった。

~謡曲「六浦」より~

紅葉の異変が話題になるけど、自然を撮っている人たちの間では、

10年くらい前から問題になっていたと記憶する。

中世、紅葉は人知の及ばぬ、神威によると考えられていた。

時ならぬ、紅葉の異変は、

神威による、天変地異凶事の前ぶれとされることがあったのである。

地球温暖化も中世風にいえば、そういえなくもないが。

(写真 Caplio GX100)

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