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2008年5月18日 (日)

「巧い」のはね…

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土曜日の午後。

テレビを点けると、短歌コンクールの表彰式をやっている。

奈良のある寺をテーマに詠んでの公募だ。

こっちの世界でも、それなりのキャリアを積んだ人の作品が、

最終選考に残っているのだろうなと、見ていると、

ずらりと、作品が披露される中、

筆者が一番、強い印象を受けたのは、小学生の少女の歌だった。

美術館で、この寺の薬師如来像を初めて見た時の驚きを、

実に素直に、生き生きと少女らしく詠んでいる。

筆者の深読みかもしれないが、

読みようによっては、ある深遠に導くような、余韻も感じられる。

よい歌だなと、久しぶりに思ってしまう。

彼女の歌が、優秀作品5首に選ばれたのは良かったけれど、

最優秀作品は、やはり、かなりやっている人で、

ここぞと、技巧が尽くされている、「巧い作品」に落ち着いた。

「大人の歌」であるから、順当なのだが、どういう訳か、

あの少女の歌をみてしまうと、ひどく、つまらなく感じてしまうのだ。

ベテランの大人が殆どのコンクールで、

ほんの少女が、一番となれば、

見ているだけの者にしてみれば、痛快だけど、

まぁ、関係者としては、許せないだろうなぁ…

ジャンルは違っても、同じく表現者を志す者に、

「巧くなろうと思ってはいけません」

と、写真家、田中長徳氏も言っているではないか。

(写真 Caplio GX100)

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