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2008年6月19日 (木)

足下から始める知的活動

Fh000015

岡山は倉敷の路地裏を「遊行」している、

写真家・田中長徳氏のブログより、古書店「蟲文庫」に興味を持つ。

店主である、田中美穂氏の著書、

「苔とあるく」(WAVE出版 2007¥1680)を購入した。

大手K書店では、スタッフがPCで検索するも、見つからず。

筆者の指示にて再検索して、やっと発見する。

彼はそもそも、この書名すら知らなかったにしてもね。

在庫無しで、取り寄せに数日というので、

半ば呆れて、BF書店へ。

そこの若い女性スタッフは、書名を聞くと、はたと膝を打って、

「すぐに在庫調べます。お待ちを」と言いながら、

数分も経たずに持ってきた。

彼女は、見ただけでも、本好きなのが判る。

厳しい出版業界、老舗K書店の先が思いやられるな。

さて、本書のこと。

日頃、ほとんど読まないジャンルだけど、1時間で読了。

そこで不意に、筆者の横浜金沢旧居、北側裏庭にあった、

「ゼニゴケ」と「スギゴケ」の密林の記憶が戻ってきた。

「ゼニゴケ」の「朔」(草冠がつく。詳しくは本書を見よ)は、

さながら、椰子の木の林の如しであった。

ある日、小学校の理科・研究課題に窮した筆者は、

その足下の苔に注目した。

日長、裏庭で観察に没頭し、小学校の図書館では、

図鑑と首っ引きで、レポートを提出した。

その後、筆者の関心は梅の古木に生える地衣類まで及び…

と、ここまできて、今、あのじめ~っとした土の匂いが、

鼻にありありと、蘇ってきた。

実に楽しい一時間だった。

およそ、人の知的活動とは、

各々の足下から、始められるのが理想だと思う。

その原点をあらためて気づかせて、

文字通り、足下を明るくしてくれる一冊なのだ。

(写真上 ライツ・ミノルタCL Mロッコール40㎜F2 PRO400N)

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