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2008年7月23日 (水)

フレームから外されたもの

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アルベール・カーンの映像史料を読み解いていくと、

映像には、まったく写っていないものが見えてくるという。

それは、悲惨な戦争の実態である。

第一次大戦が始まると、

カーンはカメラマンの派遣を中止せざるを得なくなったが、

今度はフランス国内で戦われた、戦争にカメラを向ける。

第一次大戦は、人類が初めて経験した悲惨な近代戦だった。

戦死者は膨大な数に達し、

その衝撃はヨーロッパ社会を打ちのめす。

戦場には、打ち捨てられて、

収容しきれない死体が、累々とあったはずなのだが、

カーンの撮影させた映像には、まったく写っていない。

現代の歴史家も、その意図を読み解こうとする。

カーンは平和主義者であった。

この戦争の悲惨さを強く訴えたいがために、

あえて、カメラのフレームから外させたのであろうと。

戦場写真も、「オートクロム」によるカラー写真が多い。

束の間の休息をとる兵士たち。

戦場になったフランスの街や村と人々。

すべてが淡々と撮影され、

不思議な静けさが画面を支配しているようにみえる。

でも、そこに写っていないものがあることで、

何故、写っていないのかという、

大事なメッセージも浮かび上がらせるのだ。

(写真 ライツ・ミノルタCL Mロッコール40㎜F2 PR400)                      

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コメント

こんにちは、初めまして、
横浜市栄区にありますあーすぷらざ
(神奈川県立地球市民かながわプラザ)と申します。

ただいま、アルベール・カーンの写真展を開催しております。

写真展以外にも、講演・BBC製作のドキュメンタリー上映等の関連イベントもご用意しております。

お近くにいらっしゃる機会がございましたらお立ち寄りいただければ幸いです。

関連HP:http://www.k-i-a.or.jp/plaza/project_exhibits/exhibits_kahn.html

どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: あーすぷらざ | 2011年2月13日 (日) 12時31分

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