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2008年9月23日 (火)

K翁のこと

K

2002年9月、山梨県道志村の道志川橋上にて。

ハッセルを構えるKさんをスナップした。

当時、所属していた、大判写真サークルの撮影旅行中の一コマだ。

それから、約一ヶ月後、Kさんは急逝された。

ある秋の日の朝、撮影会の集合場所へ急ぐKさんは、

駅の階段で倒れた。

背には機材を詰めたザック、

両手に、ハッセルのボディを入れたケースと、

三脚を抱えたままの姿だったという。

Kさんとは、撮影旅行でよくご一緒して、

大判写真ことなど、いろいろと親しく語り合ったり、

時には、筆者の作品に嬉しい講評を頂くこともあった。

ハッセルとテヒニカの使い手で鳴らし、

風景写真の腕前は、そのジャンルでは広く知られており、

所有する撮影機材も半端なものではなかった。

齢八十を超えられていたのに、8x10カメラでの撮影にも熱心で、

トヨフィールドや、ナガオカの8x10を駆使して、

まさに「三昧の境地」に至ろうとしていた、矢先のことだったのだ。

そのころ、筆者は手に入れたばかりのテヒニカと共に、

スナップ用のサブとして、小型のニコンEMを持ち歩いていたので、

何故か判らないけど、橋の上のKさんの姿に惹かれて、

ニコンにおさめたのだった。

それが遺影になり、後に、ご遺族にお贈りすることになった。

サークルの人たちの間では、

「写真好きのあらまほしき最期」として、

賞賛の的となったのは言うまでもない。

(写真上 ニコンEM・MD-E付 AiニッコールS35~70㎜ F3.5)

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