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2008年9月10日 (水)

琵琶法師と土饅頭

00410009

「七人の侍」では、印象的な背景シーンがいくつもあった。

百姓たちが雇うべき侍を探しに出た街で、逗留する安宿だ。

(都市的な場のセットも良い。かなり凝っている)

この時代の宿屋の様子は、ほとんど判っていないが、

文献や絵画史料などから、存在したことは確かである。

そういった中世の宿屋を再現してみせたのも、初めてだろう。

寝床のような棚と、寝藁があるだけという設定は、

実像に近いのではないかと思う。

ここは百姓たちと勘兵衛たちが出会い、

助力を決意し、謀議を練ったりする重要な舞台だ。

何も台詞が無いけど、片隅に座る琵琶法師の存在感が凄い。

まるで絵巻物から出てきたようで…

一方、野武士との死闘の中で、次々と倒れてゆく侍たちを、

葬るシーンと、ラストシーンで登場するのが、

村はずれの、小高い場所にあるらしい墓地である。

これも、各地で発掘されている中世民衆の葬送地の、

イメージと、かなり近いのに驚かされる。

土饅頭と積み石が累々と並ぶ光景。

ここで、勘兵衛が最期に呟く、あの台詞、

「今度も、負けいくさだったな」

「勝ったのは、あの百姓たちだ」

「わしたちではない…」

背景に、実に良くマッチしていて、

カッコイイ!

(写真上 ライツ・ミノルタCL Mロッコール40㎜F2

                           NEOPN400 PRESTO)

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