« 雷鳴と太鼓の音 | トップページ | 琵琶法師と土饅頭 »

2008年9月 9日 (火)

「菊千代」

Rimg17383

「七人の侍」のテーマソングが、耳にこびり付いて、

頭の中を、エンドレスに回っている状態?なので、

今日も、この話題に続けることに…

三船敏郎が演じる「菊千代」という男が、劇中で際立っている。

大太刀を背負い、裸体に甲冑姿。

「下散しころの兜」(細かく割れたしころの兜)

「半首」(はっむり)

(目と鼻口を除いて頬から顔半分を覆う)という面具。

女性の小袖をかぶるシーンもあったような…

こういった扮装は一見、映画の演出のようにみえるが、

中世世界では、まさに異類・異形のいでたちである。

中世後期の絵画史料に、実に忠実で、

ここまで調べて、映画に使うとは、かなりのオタクぶりなのだ。

とても、1954年(昭和29年)の公開とは信じられない。

「菊千代」という名前も、劇中では、どこかの系図を奪って、

その中の名前を、勝手に名乗っているだけなのだが、

成人しても、幼名で呼ばれるという異形ぶりは、

中世世界でも、実際にあったことだ。

こんな風に、細かいところを見てゆくと、

いくらでも、面白いことが見つかる「七人の侍」だけど、

筆者は、特に黒澤映画ファンというわけではない。

後にも先にも、この作品だけが画期的なのであって、

未だに、これを超える時代ドラマが、

現れていないことからも、それが判ると思う。

(写真 GX200)

|

« 雷鳴と太鼓の音 | トップページ | 琵琶法師と土饅頭 »

歴史(中世史)」カテゴリの記事

コメント

菊千代は、サムライに憧れている百姓の出の男という設定ですね。ほんとのサムライじゃないわけで、だから異形の出で立ち、命名、奇矯な振る舞いなんでしょうか。
後年の三船と違って、黒沢映画の三船は体の切れ、太刀の振りがすごく速くて、きびきびしていて魅力があります。

黒沢の「用心棒」の舞台が、半鐘台のある宿場町で、これは誰も言っていないと思いますが、F.ベアトが幕末に撮った町田の写真を考証に使ったものだとひそかに思っています。

投稿: 振り子 | 2008年9月 8日 (月) 23時49分

たしかに「時代考証」が凝っています。
「用心棒」の舞台も、ご指摘のとおりだと、
思いますよ。黄金時代の「黒澤映画」は、
今見ると、再発見が多いです。
公開当時では、気づかなかったことでしょうね。
本当は凄い「作り込み」だったのに。
明日も、この話題になりそうで…

投稿: kansuke | 2008年9月 9日 (火) 00時20分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 雷鳴と太鼓の音 | トップページ | 琵琶法師と土饅頭 »