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2008年11月 9日 (日)

美しき1930年代

B08110801

二つの世界大戦にはさまれた、

いわゆる戦間期、1930年代の、

東京の空気を感じさせる展覧会を見る。

「1930年代・東京」(東京都立庭園美術館)

関東大震災、世界恐慌、ファシズム、戦争と…

いかにも陰鬱な時代ではなかったのかと、

かつて、父親に聞いてみたことがある。

それは、後付けのイメージであり、

少なくとも「帝都東京」では、まったく当てはまらない。

むしろ、「自由」と「明るさ」が溢れていた。

そんな空気の中で、学び、遊び、

十代の学生時代を満喫していたのだ。

というのが、父親の答えであった。

僅か70年前にして、

この時代、幼児だった人はまだしも、

ティーンエイジャーだった人の記憶は、

今、考えられているイメージとかなり違っている。

父親は旧制中学で丸山真男と同級で、

一緒に通学するほどの友だったという話も続く。

当時の二人の会話の話題も、推して知るべしであろう。

今回の展示は、美術、建築、デザイン、写真などの、

表現活動を通じて、同時代の雰囲気を伝えようとする。

ざっと見て感じることは、およそ現代で試みられている、

表現方法の殆んどは、

既にこの時代で実験済みなのではないか、

ということだ。

この後の時代が、あまりに悲惨であったことを知っているから、

とかく、恣意的に捉えがちな1930年代だけど、

そろそろ、落ち着いて、

その実相に迫れる時が来ていると思う。

(写真 GX200)

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コメント

筑紫哲也氏が、休暇などの時間に、最も繰り返し読んでいたのが、丸山真男の著作集だったようですね。「多事争論」で、本人がそう話されているのを聞いたことがあります。

投稿: 胸の振り子 | 2008年11月11日 (火) 21時42分

学生の時の、
基本テキストが、
あの「現代政治の思想と行動」
でしたっけ。
ファシズム論では外せませんから。
父親の丸山の印象としては、
かなり「老成」した感じの少年で、
英語の成績が抜群だったそうな…
育った家庭のユニークさが、
窺えたようですよ。
いずれにせよ、
1930年代の東京は、ある意味、
「リベラリズム」の「揺籃」
だったというのが、父親の感想。
筑紫氏にも、その気分は、
受け継がれているようです。

投稿: kansuke | 2008年11月11日 (火) 23時08分

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