1944年の空気
フォン・シュタウフェンベルク大佐にはカリスマがあり、
実に魅力的な人物だったという。
映画「ワルキュウーレ」では、
主役のトム・クルーズにそれが感じられないということで、
遺族からクレームがついたようだ。
ドイツ政府が問題視したトム・クルーズの新興宗教のこともある。
一連のゴタゴタで撮影が遅延し、
ベルリンでのロケの許可が出るのにかなり手間取ったりした。
この歴史的な事件と正面から対峙するには、
まだ、乗り越える課題があるのだろうが、
やはり、ドイツでつくって欲しい映画だった。
「ヒトラー ~最期の12日間~」のように…
人間としてのヒトラーの内面と実像に迫るというタブーへの挑戦は、
画期的だったし、最新の研究成果を反映していた。
歴史考証も良く、当時の空気が感じられた。
「ワルキューレ」は頑張ってはいたが、
アメリカ映画の限界があったかもしれない。
1944年の戦時下のドイツの空気を、
本国の人しか判らない微妙なところまで描かないと、
この映画の主題がまったく生きてこないと思うからだ。
(写真 GX200)
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