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2009年3月29日 (日)

悪魔問答

B09032801

アメリカ人の7割が悪魔の存在を信じているという。

ABCのナイトラインがこの問題でトークショーを開いていた。

肯定派は人気の若手牧師と、

どん底の生活の中で悪魔の存在を確信するに至った女性。

否定派は気鋭の思想家と、

悪魔と地獄を否定してローマから破門された神父。

議論は最期までかみ合わなかった。

おまけに肯定派が多数を占める聴衆から加勢も出る始末。

否定派の人たちが、

「聖書は4000年前に書かれ、しかもオリジナルではなく、

伝聞を集め増補を繰り返しで出来たものだから、

それを念頭に置いて慎重に読みなさい」と、

至極もっともなことを説いても受け入れられず。

肯定派の人々は自分のごく個人的な人生の体験の中で、

悪魔の存在を確信したのだと頑なだった。

肯定派の牧師も、

「悪魔は堕落した天使で男性である」といった調子。

否定派は決して相手の見解を軽んじているわけではない。

「この世の極悪非道な行いを全て悪魔のせいにしないで、

自分の心のうちにある善と悪の部分を、

冷静に見つめなさい」と説いているにすぎないのだ。

アメリカ人の宗教観、かなり歪んでいる印象は拭えない。

現代世界では相対的な思考が求められているのに、

これでは異文化・他宗教の人々との対話が、

ますます難しくなるだけじゃないのか。

キリスト教世界が沈滞に向かうのは致し方なし。

でも、ナイトラインのタブーを畏れない企画にはあらためて感心する。

(写真 GX200)

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