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2010年3月 8日 (月)

「幽霊と語る」

B10030701

加藤周一ドキュメンタリー映画

「しかし それだけではない。加藤周一 幽霊と語る」

を観る。週末とあって入りもまあまあだった。

一昨年末に死去した加藤周一氏の最晩年の日々を、

遺された最期のメッセージとともに、死者(幽霊)たちへの、

追慕と対話を通して描いたドキュメンタリーだ。

反戦を貫いた恩師たち、学徒出陣した友人、

そして、戦時中の明日をも知れぬ自らの運命に共通性を見出した、

鎌倉期の歌人源実朝と、時空を超えての問いかけは、

これも戦時に観たという世阿弥の夢幻能のかたち、

(シテの死者が死後の視点から、その生きた時間と想いを、

 回想形式で語り演じる)に対比される。

氏は、幽霊たちはもう、決して姿や意見が変わることがなく、

その視点は「今=ここ」にあり続けるのだと説く。

昨年にNHKで放送された生前最期のインタヴューと、

現代の学生たちへ「老人との連帯」を勧める講演も含む。

(写真 CX2)

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