« 2011年5月 | トップページ | 2011年7月 »

2011年6月の記事

2011年6月29日 (水)

元八王子にて(6)

B11062802

B11062803

B11062804

当地の地名変更は昭和31年のことだと云う。

今回、お邪魔したお宅の方は、

その頃、ご両親が分譲された宅地を求められたのだ。

以前は、八王子旧市街に住まわれていたのだが、

周囲で止める人が多いのを振り切っての転出だった。

爾来、やって来た新住民が七、八割を占めるようになる。

もとより、此処の深い歴史を知る人は殆どいなかった。

しかし、この方は積極的に古くから住んでいる人々と、

交流を重ねていたので、明治期以後の、辛い差別の経緯を、

知るに及んだのだ。

既に筆者も、地元の史料を渉猟しているけれど、

敢えて、このことを活字にした研究者は皆無に近いようだ。

「楽しい郷土史研究」を謳いながら、

歴史の暗部(真実)より目をそらし、看過する、

問題意識(=歴史感覚)を欠く姿勢には些かも同意できない。

さて、拙ブログを開始してから、都区内各所の、

中世古道、宿と市の痕跡を尋ね歩いてきたが、

(その気配は幾度も感じてきたにしても…)

これほど、重い歴史が今も生きているところは初めてだった。

でも、もっと深く、この地に入っていきたいと想う気持ちは、

当分、抑えられそうもない。

(写真 CX5)

| | コメント (2)

2011年6月28日 (火)

元八王子にて(5)

B11062701

小さな湧水はいたるところにあるようだ。

これはお邪魔したお宅の庭で。

こういった湧水群を集めて、水路は流れ、最終的には、

多摩川へ注いで往くわけだ。

B11062702

古道に沿った、住吉社裏手にある大きな湧水池。

様々な伝説に彩られて、水は、

榎の老木(樹齢400年は下るまい)の下より、

湧き出で続けている。

恐らく、この光景は中世世界から変わらないのだろう。

「うれしや水…日照るとも絶えずとうたり…」と謡われた如く、

中世の街道を行き交い、宿や市に足を止める人馬にとって、

まさに、命を延べる水だったに違いない。

もとより、良き水場は中世の都市的な場の核であり、

宗教的な聖地でもあったはずだ。

(写真 CX5)

| | コメント (0)

2011年6月27日 (月)

元八王子にて(4)

B11062601

B11062603

B11062604

B11062605

さて、お邪魔したお宅だけど、表側は前日の写真の如く、

ごく普通の分譲住宅を呈している。しかし、一歩、裏へ回ると、

すぐ庭先に、ご覧のような濤々たる流れが現れるのである。

聞けば、此処は湧水に恵まれ、このような水路が、

張り巡らされているようなのだ。

宿や市を構成する町屋の、生活用水のために造られた、

古くからの遺構(恐らく中世に遡る)だろう

琵琶湖畔や京都の裏町を彷彿とさせる光景に、暫し呆然とする。

昔はウグイが遡上し、蛍が乱舞したらしいが、

今でも十分に清冽で、水面を涼風が吹き渡っていた。

(明日はその水源を尋ねた様子などを…)

(写真 CX5)

| | コメント (0)

2011年6月26日 (日)

元八王子にて(3)

B11062501

B11062502

B11062503

地蔵堂裏手、墓地のブロック塀は古道に沿っている。

少し手前に住吉社があり、言うまでもなく、住吉明神は、

市の守り神(宿神と言ってもよいかもしれない)で、

社の後背には、かつて「八日市」と云う字名が残っていた。

また、この古道を境に、由井本郷は鎌倉後期、

地頭、天野一族の所領争いで、幕府裁定により、

下地中分され、三分の一の方を「壱分方」(いちぶかた)

三分の二の方を「弐分方」(にぶかた)と呼んで、

戦前までは、村名にもなっていたようだ。

実に由緒のある地名なのだが、戦後、此処は、

地名を変えられ、区画整理、宅地分譲で、

村外の希望者に売り払われてしまったのだそうだ。

それで、今日の最期の写真みたいに、

一見、なんでもない住宅地になってしまったのだけど、

ちょっと裏に回れば、今でも驚くような光景が、

隠れていて…なんてことが…

(写真 CX5)

| | コメント (0)

2011年6月25日 (土)

元八王子にて(2)

B11062401

B11062402

B11062404

由井本郷の真ん中を甲州街道から分かれた、

陣場街道(案下道、あるいは佐野往還とも)が北に貫き、

やがて、府中からの古甲州街道(古代~中世)と合流する。

つまり、陣場街道は中世以前のメインストリートなのである。

勿論、前者の甲州街道は江戸期になって開かれたもので、

近世から現代にかけての八王子旧市街は、

それに沿って展開しているわけだ。

そんな由井本郷の古道を歩くと、いきなり、

薬師堂、地蔵堂、住吉明神に行き当たる。

ここまで来れば、中世以来の宿跡に入ったことが明らかになる。

地蔵堂は天文年間の創建だが、

天正18年(1590)6月23日の八王子城、落城時戦死者200余人の、

菩提を弔うため、150体の地蔵像が安置されている。

この日は、奇しくも彼らの命日であるので、拝観が出来た。

他の寺々が秀吉を憚って、戦死者の引き取りを拒否した中、

此処は進んで供養と埋葬を執り行ったのだそうだ。

堂内に戦死者の交名が貼り出されてあったが、

筆頭は、城主、北条氏照婦人と思しき女性だった。

(写真 CX5) 

| | コメント (0)

2011年6月24日 (金)

元八王子にて(1)

B11062301

B11062302

B11062303

当地へ越してきて、はや半年となるが、この程、思わぬ伝手を得て、

八王子の奥座敷と言うべき、中世八王子の核心部の探索に、

手をつけることが出来た。

確認されている唯一の荘園、船木田荘で最大の郷、由井本郷は、

「元八王子」と呼ばれ、中世古道、宿、市、館跡、社寺の遺構が、

集中している地域だ。

現住されている方のお宅を訪ね、いろいろと興味深い話を伺い、

ご近所案内もして頂いた。

(当該地区の詳細な場所等は、

 諸事情によって、控えさせてもらうことにする)

後述するけれど、現在でも、

ちょっと驚くような事実が存在したからなのだ。

(写真 CX5)

| | コメント (0)

2011年6月22日 (水)

雄大積雲

B11062101

B11062103

B11062105

午後より日差し強く、今年最初の夏日和となるも、西風あり。

北東方向に雄大積雲を認む。

夕刻に至り、巨大積乱雲へ変ず。

限界高度に達し、頂部所謂、金床状に流る。

同刻、埼玉北部を突風、豪雨襲うと云々。

(写真 CX5)

| | コメント (0)

2011年6月17日 (金)

蛍袋

B11061601

B11061602

B11061603

あの小さなお花畑に蛍袋が咲き出した。

その名前の由来になった如く、

蛍を入れて、愉しむと云う、

風雅な遊びがあったものなのか。

蛍も季節だ。

当地の何処か、谷戸の奥なんかで、

密やかに、光り始めているやも知れぬと想いつつ。

午後遅くより雨。

(それにしても、写真に撮り辛い花だな)

(写真 CX5)

| | コメント (0)

2011年6月16日 (木)

日々の写真 6/15

B11061501

B11061502

B11061503

今月下旬に発売される、リコーPXのカタログを入手する。

リコー初の、防水、防塵、耐衝撃仕様のコンデジと云々。

確かに、悪天時のカメラ携帯には有効だろう。

気にならないシンプルなデザインもまぁまぁか。

要研究なり。

(写真 CX5)

| | コメント (0)

2011年6月15日 (水)

極東の湿気

B11061401

この季節、極東の匂い立つ様な湿気を表現するには、

やはり、フィルムに如かずと想う。

カリカリのデジタル画像じゃ、どうにも潤いが不足するのだ。

(11日にアップした画像と比べてみると…実にホッとする感あり)

武蔵府中、大國魂神社境内の摂社、東照宮にて。

(写真 ライツ・ミノルタCL ビオゴン28㎜ F2.8ZM SPG400)

| | コメント (0)

2011年6月11日 (土)

武蔵府中にて(4)

B11061001

B11061002

B11061003

武蔵府中の地下には途方も無い歴史が眠る。

此処は、古代、中世は東山道、近世は甲州道中が貫き、

(都内の古道は、全て府中に繋がると言っても過言ではない)

そして、多摩川水運の川湊に臨むと、

(こっちは所謂、国府津・品川湊へ直結する)

東国屈指の都市的な場として、殷賑を極めたからである。

大國魂神社界隈は古代7世紀から11世紀にかけての、

武蔵国・国府があったと考えられている。

(中世12世紀~15世紀頃には幕府の守護所があった)

70年代より、この辺り東西6.5キロ南北1.8キロ内の各所で、

長期にわたる大規模な発掘調査が続行中だ。

境内にある「ふるさと府中歴史館」の学芸員の方に伺ったところ、

大型建物跡、古代道跡、瓦、土器類が多数出土していると云う。

また、気になる中世遺物関係だが、まだそこまで発掘調査が、

進んでおらず、今後の課題になっているそうだ。

中世の宿と市は西南部、分倍河原駅近くにあったらしく、

既に市内で、大量の埋納銭や常滑大甕が見つかっているので、

大いに成果が期待出来るだろう。

そんな訳で、筆者の武蔵府中探索は、折に触れて、

当分続きそうな気配なのだ。

(写真 CX5)

| | コメント (0)

2011年6月10日 (金)

武蔵府中にて(3)

B11060901

B11060902

B11060903

府中駅前はきれいに立体化されているので、

一見、ちっとも面白くないのだが、その真下に、

覆い隠されたかたちで、ごちゃごちゃとした、

「昭和の路地」が現存しているのである。

実に貴重な遺構といえるのだけど、

まさか、吉祥寺のハモニカ横丁のように、

再開発の話が進んでいるとしたらと、危惧を抱かせる。

さて、これも随分闌れた玩具屋を見つけた。

子供の頃の、あのワクワク感が甦り、暫し感慨に耽る。

店内は今の子供が喜ぶモノよりも、

「昔の子供」が喜ぶモノで溢れていたのは言うまでもない。

客もそっち系の人が多いのだろう。

(写真 CX5)

| | コメント (0)

2011年6月 9日 (木)

武蔵府中にて(2)

B11060801

B11060802

B11060803

B11060804

府中駅前から欅並木通り(大國魂神社参道)にかけては、

ごちゃごちゃした路地が残り、

時間が止まったような、昭和の雰囲気を醸し出している。

その中でも、一番古そうな食堂に入ってみた。

中華、和食、洋食、何でも出している店である。

聞けば、創業80年だと云う。

季節柄、冷やし中華を注文する。

ちょっとした「時空の超えた旅」を愉しんだ。

(写真 CX5)

| | コメント (2)

2011年6月 8日 (水)

武蔵府中にて(1)

B11060701

B11060702

B11060703

B11060704

武蔵・府中、大國魂神社(武蔵国・国府跡)界隈を探索してきた。

実は、震災の日に行こうとしていたところなのである。

(写真 CX5)

| | コメント (0)

2011年6月 4日 (土)

仏の嘘は方便、武士の嘘は武略…

B11060301

B11060303

梅雨の晴れ間、渋谷の中古カメラ市を覘く。

…………

「仏の嘘は方便、武士の嘘は武略…」と光秀は述懐したと云う。

首相の言質に「ウソだ!ペテンだ!」と叫ぶ前首相、

実に子供じみて、正視に耐えず(思わずバカ!と漏れるくらい)

そもそも彼は、基地問題で各方面に空手形を乱発して、

にっちもさっちも往かなくなって、

アッサリ、サッパリ、政権を放り出した。

そんな人間が、今も首相でなくて、つくづく…良かったよ。

権力者が本当に、

自らの仕事に真剣なら、政権維持に貪欲になり、

あらゆる術数を尽くし、めぐらすのは当たり前で、

実際、そうでなきゃ困るのだ(蛙の面に水で、大いに結構!)

今回の政局、奇しくも本能寺の変の六月二日、

もとより首相側の勝ちだ。

(写真 CX5)

| | コメント (0)

2011年6月 3日 (金)

府中郷土の森にて(2)

B11060201

B11060202

B11060203

府中市郷土の森博物館でやっている、

「特別展 アウトローたちの江戸時代」(~6/26)というのは、

江戸期の甲州道中、府中宿を跋扈していた、侠客、博徒、無宿人、

あるいは、虚無僧などの遍歴する芸能民や宗教者たちの実態を、

当時の文献や錦絵で追った、ちょっと面白い展示である。

また、企画展示「土佐源氏―宮本常一が描いた忘れられた日本人」

も見落とせないだろう。

(ついでながら、宮本常一は府中に在住していた)

郷土の森には「ハケ」(多摩川の崖線)の自然を利用した、

気持ちの良い庭園があり、結構楽しめる。

(6/1より、紫陽花まつりを開催中)

茶店で出している「ハケ団子」は、

武州名物の、あの醤油団子だった。

(写真 CX5)

| | コメント (0)

2011年6月 2日 (木)

六月二日

B11060101

B11060102

天正10年(1582)六月二日早朝の、本能寺の変は、

この国の歴史上、最もドラマティックな事件の一つとして、

多くの人々の想いを引きつけてきたわけだが、

筆者にとっては、

かつて父親が漏らした、夢の話が頭から離れない。

燃えさかる炎を背景に繰り広げられる、

激しい合戦を描いた絵巻を観て、

「これは本能寺の変であるな」と覚えて、目覚めると、

その朝が、六月二日であったと云うのだ。

やはり、この事件だけは別格である。

(写真 CX5)

| | コメント (0)

2011年6月 1日 (水)

府中郷土の森にて(1)

B11053102

B11053103

B11053104

府中市郷土の森博物館で開催中の、

「特別展 アウトローたちの江戸時代」(4/29~6/26)を観てきた。

此処は、この三月にも訪ねているが

時々、ちょっと面白い企画展をやっているようだ。

展示を観る前に、

付属の民家園に寄り、茶室でお薄を頂く。@¥300也

梅雨の晴れ間、休息のひとときを得る…

(写真 CX5)

| | コメント (0)

« 2011年5月 | トップページ | 2011年7月 »