戦国の女たち
先週末、東京8x10組合の忘年会が始まる前に、
上野、東博の常設展をチェックしてきた。
2009年秋に続き、「観楓図屏風」(国宝 室町末期)を鑑賞する。
京都洛北、高雄山の紅葉と見物する男女グループを描く。
既に清滝川に架かる橋上で憩う、
戦国の男女二人を紹介をしたが、今回は女たちである。
持ち寄った食べ物(饅頭か?)を摘みながら、
おしゃべりに夢中のようだ。
左上端の尼御前が手にする茶碗は、
左端下に出張して来た、茶売りの男のものだろう。
「一服一銭」と呼ばれた、茶を銭一文で飲ませる立ち売りで
人出の多い寺社門前や名所で店開きをする。
天秤棒で炉と茶釜、水を入れた樽と茶碗入れを担ぐ、
移動販売のスタイルだ。
もとより、女たちは茶だけで満足するはずはない。
左下で、少女が酒を入れた白磁瓶で酌をしようと控えているし、
右端下、松の下には、さらに酒樽と料理が用意してある。
観ていくと、人々の、現代に通じるライフスタイルの原点が、
この中世末、戦国期にあったとも想えてくる。
(捨身 X10)
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