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2011年12月 3日 (土)

「天狗」の天敵

B11120201

高尾山で飯綱権現と天狗の関係に興味を持って以来、

中世世界と天狗の存在について、一寸考えてみたくなった。

手持ちの資料に天狗草紙(13C)が見つかったので紹介しておく。

天狗の化身である鳶を穢多童(えたわらわ)が捕らえる場面だ。

絵巻の詞書を要約してみると…

…このように天狗は各地の霊地、修行場に現れて、

 悪事を為し、人々を惑わして、邪な行いへ導いたのである。

 天狗たちは、してやったりと、得意気にここかしこを遊行した。

 ある天狗は、散々に宴して、酔狂のあまり、四条河原辺りで、

 肉食(にくじき)しようと、肉に針刺してあるのを知らずに掴み、

 穢多童に捕まって首をねじ殺されてしまった…

場面左は捕らえた天狗(鳶)の首をねじる穢多童。

(童というのは髻を結わない童形のことで、もとより異形だ)

右は仕掛けにかかった獲物を追いかけるところ。

ともに中世絵巻独特の、異時同図法で表現されているから、

同一人物である。人物左側の吹き出しに、

「若鳥にてありける。よき羽かな」(若鳥だ。いい羽だなぁ)とある。

つまり、穢多童は矢羽を取って生計を立てる「鳥刺し」なのだ。

(写真 CX5)

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