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2012年7月の記事

2012年7月31日 (火)

「平清盛」を視る(37)

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久しぶりに細部のネタを…

崇徳院の、讃岐の配所での生活は丁寧に描かれていた。

まず、院の住まいの柱に注目しよう。

樹皮が付いたままの、丸太である。

これを「黒木」と云う。そこから、

貴人の配所での居所を「黒木の御所」と呼んだりする。

あくまでも、流された罪人のための、粗末な建物なのだ。

ついでながら、「黒木」に対する「白木」とは、

樹皮を剥がして製材した「清浄」な材で、神殿などに用いられる。

白=清浄 黒=穢、又は異といった解釈もありうるだろう。

中世世界での「黒」の概念にも想いが馳せる。

いずれにしても、今回の大河、いろいろと細かいところまで、

考証が行き届いているので、プラスポイントが増えるわけだ。

ネタ元と思しき、絵巻を下に掲げる。時代はやや下がる、

13世紀初頭の作「北野天神縁起」の一場面だ。

大宰府へ流された菅原道真の居所、同じように、

粗末な丸太(黒木)の柱が見える。

(そういえば、この方も怨霊になったなぁ…)

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(捨身 二代目CX5)

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2012年7月30日 (月)

「平清盛」を視る(36)

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(オリンピックで本放送が遅れているようですが、

  今回は、BSで6時台に放送されたものを元にしました)

讃岐に流された後の崇徳院を丁寧に描いたのは、

もとより大河初で、プラスポイントとしよう。

恐ろしい怨霊になる経緯は保元物語に沿っている。

「日本国の大魔縁となり、皇を取って臣となし、

 民を皇となさん…」と云う、有名な台詞を再現したのもよい。

演じた井浦新、好演だった(後半のオカルトっぽいのも?)

(捨身 二代目CX5)

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2012年7月23日 (月)

「平清盛」を視る(35)

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一寸、型破りな女性をイメージしようとしたのだろうか。

平滋子(建春門院)は「巻き髪」の女性として描かれる。

もとより、中世世界では「巻き髪」は「醜女」となる。

まず、想起されるのが「男衾三郎絵詞」(13世紀末)に出てくる、

男衾三郎の妻である。おそらく、ネタ元もこれだろう。

やはり、大河初めての試みなので、プラスポイントかな?

それにしても、「男衾」のこの女性は凄い…

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(捨身 二代目CX5)

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2012年7月18日 (水)

日々の写真 7/17

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連休が明け、梅雨も明ける。

何となく、16日頃には明けると想っていたのだけど、

まぁ、当たったわけだ。

昨日の、代々木公園での日焼けが疼き、

落下させたCX5が微妙に歪んで、きしきしと音を立てる。

まだ使えるが、もうそろそろ、いいだろうな。

今日、渋谷のキタムラでチェックするに、

Amazonより廉くなって居る。数日はこの値段で大丈夫と云々。

(捨身 二代目CX5)

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2012年7月17日 (火)

日々の写真 7/16

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今日の捨身をご覧頂ければ、何の説明も要らないでしょう。

兎に角、代々木公園は暑、否、熱かった…

あまりの熱さに、手持ちのCX5を取り落してしまう。

カメラを落下させるとは、筆者にとって前代未聞の仕儀哉。

(捨身 二代目CX5)

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2012年7月16日 (月)

「平清盛」を視る(34)

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平治の乱で囚われた頼朝は、死一等を減じられ、伊豆へ流される。

清盛の継母、池の禅尼の助命嘆願があったと云うが、

やはり、それだけではあるまい。

(源氏とは対照的な、平氏の人間性をこの辺から感じ取る人もいる)

いろいろな、「特別な」事情があったと想う。

でも、この数奇な、彼の運命は、平氏にとって決定的だった。

後の頼朝が、敵対者の子の処分に仮借が無かったのは、

よく知られる。決して、清盛の轍を踏むことはなかった。

だから、ドラマのように、もし、清盛とのことを聞いたとすれば、

どうしても、その経緯を語りたがらない頼朝の姿が、

イメージされてしまうのだ。

(捨身 二代目CX5)

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2012年7月12日 (木)

天狗草紙を観た(2)

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去年の暮れに、東博の天狗草紙を紹介したが、

この五月にも展示があり、東博がもう一つ所蔵する、

今は失われた、第二巻「興福寺巻」の模本が出ていた。

江戸文化年間(19世紀)に模写されたものだ。

これも現存していない、第一巻の「東大寺巻」と共に、

徳川将軍家の持物だったらしい。

上はその一場面、天狗そのものが登場し、集団で何やら悪さを…

やはり、鳶そっくりの姿に描かれている。

(天狗に関する論考は折に触れて続けます)

(捨身 二代目CX5)

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2012年7月11日 (水)

君が愛せし綾藺笠…

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一昨日に触れた、梁塵秘抄の「君が愛せし綾藺笠(あやゐがさ)…」

綾藺笠とはこんな笠と、いろいろ中世絵巻などを調べたけれど、

(一遍聖絵にはありそうだが、見つからなかった)

一点だけ、「石山寺縁起」(14世紀)に見つけた(下)

中世の武士が、狩り、流鏑馬、旅に用いた、

藺草を編んで、裏地に絹などを張った笠である。

特徴的な中央の突起部に、髻を入れて着用した。

そういえば「平清盛」でも、佐藤義清(西行)が被っていたな(上)

さて、元の今様へ戻るとして、

遊女が、自分の愛する武士が大事にしていた綾藺笠を、

夜更けの賀茂川に落としてしまった様を謡ったのか。

綾藺笠は武士の装束の中でも、粋なものとされる。

…落ちにけり落ちにけり…明けにけり明けにけり…

と繰り返す、調子や響きのほうも粋で、好みの今様だ。

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(捨身 二代目CX5)

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2012年7月 9日 (月)

「平清盛」を視る(33)

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信西を討ち取り、天皇と上皇を幽閉した信頼、すっかり悦に入って、

謡い舞う今様は、

「君が愛せし綾藺笠(あやゐがさ) 

 落ちにけり落ちにけり 賀茂河の河中に

 それを求むと尋ぬとせし程に 明けにけり明けにけり

 さらさら清(さや)けの秋の夜は…」

さらに、源氏を油断させるために、六波羅で宴に興じる平氏一門も、

「熊野へ参るには 紀路と伊勢路とどれ近し どれ遠し

 広大慈悲の道なれば 紀路も伊勢路も遠からず…」

と謡い囃す。

いずれも、「梁塵秘抄」で知られた謡で、

中世世界の気分がよく出ている。

細かいことだけど、気が利いていて、プラスポイントだ。

(捨身 二代目CX5)

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2012年7月 8日 (日)

刀はあまり使わない?

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「平清盛」の予告編を視たら、

清盛と義朝が馬に乗り、太刀を振り回して、

ガチンコで一騎打ちをやっている。

昔から、大河はチャンバラシーンが大好きだったよな。

でも、ちょっと待てよ、「刀は武士の命」とかで、

チャンバラを至上の決戦としたのは、ずっと後の時代なのだ。

試しに、13世紀に描かれた「平時物語絵巻・三条殿夜討巻」の、

戦闘シーンをざっとチェックしてみたら、

やはり、手にしている武器は、圧倒的に弓矢、薙刀だった。

 (そもそも、つわものの道とは、弓矢の道だ。

  剣の道と云うのは、塚原卜伝辺りが最初だろう)

僅かに太刀を構えている場面はこれ(上)くらい。

戦いの最終段階、短刀で首を掻く場面で、右後に立つ武士だ。

中世初頭、12、13世紀の絵巻には、刀を振り回す場面は、

あまり出てこない。目につきだすのは14世紀以降だと思う

敢えて謂わせてもらえば、チャンバラは戦国期以降のお話だ。

(捨身 二代目CX5)

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2012年7月 7日 (土)

「平清盛」を視る(32)

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京は検非違使庁・西の獄、門(獄門)前の木に晒される信西の首。

平治物語絵巻・信西の巻の、同じ場面は既に紹介した。

ドラマのほうが、律儀に古式通り、時代(平安末期12世紀)に、

合った方法を再現したので、プラスポイントとする。

手を合わせる人々の姿で、民に慕われた「民政家信西」を、

演出したわけだが、絵巻を観る限り、

手を合わせているのは僧侶ぐらいで、見物人ばかりのようだ。

首を獄門の棟木に吊るすのは、絵巻が描かれた時代、

(鎌倉中期13世紀)では、一般的だったのだろう。

(捨身 二代目CX5)

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2012年7月 3日 (火)

「平清盛」を視る(31)

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平治の乱(1159)の勃発(三条殿の夜討)と信西の死を描く。

今回の大河では、信西を改革者、

優れた民政家としても捉えており、

従来の悪役史観から脱しようとする努力が窺えた。

もとより、筆者の知る限り、初めての試みである。

その点を積極的に評価して、プラスポイントとしよう。

僅かな従者を連れ、からくも大和・田原山中へ逃れる信西。

愚管抄に拠れば、師光(西光)が宋への亡命を勧めたと云う。

これも、当時の情勢や彼の能力、ネットワークからして、

決して、荒唐無稽なことではなかっただろう。

しかし、信西は追い詰められ、力尽きる。

先の悪左府頼長も含め、歴史上「悪役」と云われる人物ほど、

多くの大事な、看過されがちな問題を提起するものだ。

(捨身 二代目CX5) 

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2012年7月 1日 (日)

「不射之射」を観る

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こちらの川本作品(1988)の原作は中島敦の「名人伝」(1942)だ。

短編だから、アニメも、ちょうどいい長さ(25分)に仕上がっていて、

川本ワールドを愉しむには、最適だと思う(青空文庫ですぐ読める)

捨身の道でも、カメラの存在を忘れ果てて、

「不写之写」なんて境地があれば、面白いんだけどな。

(捨身 二代目CX5)

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