新春能狂言を視る
例年、元旦の朝は寝坊したり、ぼんやりしていたりで、
新春能狂言(Eテレ)を視損なうのであるが、
今年は視ることが出来た。まずは祝着である。
演目は「春日龍神」だった。
入唐渡天(竺)を志す、明恵上人が春日明神へ参詣すると、
春日の神々が、思い止めさせようと示現し、様々に諭す筋立てだ。
まず、宮守の翁(春日明神が鹿島から移った際に、従ったと云う、
神職の中臣時風、秀行の化身とする)春日末社の神の翁…
最後には、猿沢の池から、龍神、八大竜王が現れる…
前シテの宮守の翁と、後シテの龍神が、
同じ化身でないところがミソだろう。
この物語では、肝心の春日大明神は、
眷属の神々の後に控えて、示現し給わないのだ。
一方、例の、春日権現験記絵巻でも、
明恵上人の入唐を制止しようと、
春日大明神が橘氏女という若い女性に憑依する場面がある。
こちらでは、建物の天井板へ昇って託宣する同女と、
礼拝する明恵上人一行を描く。
(捨身 Canon S100)
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コメント
黒川能で最も演じられることの多い定番ですね。NHKの能の番組は反響が少なすぎて、ワクを少なくされそうだと今日のツイッターで出ていましたよ。
投稿: 振り子 | 2013年1月 2日 (水) 17時19分
以前は式三番、翁から始まって、三が日の朝に続けてやっていたのですが、今年は元日だけのようですね。あらためて「春日龍神」(金春宗家が演じていました)をじっくり観ましたが、いろいろな意味で含蓄が多い曲だと思いました。
投稿: kansuke | 2013年1月 2日 (水) 21時56分
Kansuke様 突然で恐縮ですが、春日権現記絵の明恵上人と宗光の妻の託宣についてブログを書いているのですが、フリーの画像が見当たらず困っておりました。kannsukeさんのこの画像をコピーさせていただく許可をいただければ大変うれしいのですが、お返事いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。
投稿: 植田 信隆 | 2015年9月16日 (水) 22時22分
植田様
了解の旨、ご連絡しました。
よろしくお願いいたします。
@kansuke 拝
投稿: kansuke | 2015年9月17日 (木) 08時04分