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2013年2月25日 (月)

説経節「をぐり」を読む(13)

B13022401

後藤左衛門、横山の館に辿り着き、

照手姫の居所「いぬゐのつぼね」へ、つと入り込む。

連雀商人の強み、全く怪しまれることなく、

侍女たちに、例の商品売り込みの口上で取り入った。

今も、中世世界も、流行最先端の化粧品、小間物、輸入雑貨に、

女性たちは魅かれて止まないわけだ。

本文のこのくだりを、「小栗判官絵巻」は実に丁寧に描いている。

以下、シークエンスで場面を追ってみよう。

B13022402

…お好み商品はいくらでも、お持ちして居りますが、

 常陸の小栗殿の裏辻で、こんな文を拾ったのですよ。

 それがしが拝見した限りでは、かなりの手です。

 お気に召したら、お手本に、

 お気に召さなければ、お笑い種にでも…と、

切り出す後藤左衛門、侍女たちは興味津々だ。

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侍女たち、文を、あーでもない、こーでもないと読もうとするのだが、

ちんぷんかんぷんの内容に笑い合う。

その様子をじっと窺う、後藤左衛門。

B13022404

騒ぎに、御簾の奥から、

…何を楽しそうに笑っているのですか?

 面白そうね。私にも教えて…

ついに、目当ての照手姫がお出ましになった。

B13022405

文を手に取る照手姫、上書きを見て、

…あら、この筆跡はなかなかのものです。

 香も宜しい。主は誰だか知らないけれど、

 文で人を殺すほどだわ。

 何も知らずに、勝手なことを云うものではありませんよ。

 今、読むから、よくお聞きなさい…

後藤左衛門の謀りごと、此処までは、まんまと運んだのが…

(捨身 二代目CX5)

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