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2013年2月13日 (水)

説経節「をぐり」を読む(7)

B13021201

小栗は良き妻を得るため、「申し親」である鞍馬の毘沙門天に、

祈願することを思いつく。

ある日の雨中、笛を吹きながら、鞍馬へ向かう途中、

彼は深泥池(みぞろがいけ)の畔で、大蛇に「見られて」しまう。

中世世界で、異形のものども、

(仏神はもとより、亡霊、物の怪、疫病神…もろもろを含む)から、

「見られる」ことは、ぞっとするような恐ろしいことなのである。

つまり、それらのものどもに憑依(または結縁)され、

異界(地獄や極楽も)へ引きずりこまれることを意味するのだ。

本文の、大蛇の台詞が効いている。

 「あら、面白の笛の音や。この笛の男の子を一目拝まばや」

 (ああ、なんと素敵な笛の音!この笛の男子を一目見たいわ)

と、十六丈(48m)の大蛇は、さらに二十丈(60m)まで、

伸び上がって、小栗を覗き「見よう」とする。

 「あら、いつくしの男の子や。

 あの男の子と、一夜の契りをこめばや」

 (ああ、なんとイケメンなの。あの子と一夜を共にしたい!)

まぁ、実に、あっけらかんとした物言いなんだけど、

大蛇でなくとも、この時代の女子なら、さも呟きそうな感じだ。

説経節を聴いている、辻の人々も、どっと笑ったに違いない。

B13021202

(捨身 二代目CX5)

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