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2013年2月の記事

2013年2月28日 (木)

説経節「をぐり」を読む(14)

B13022701

文を手に、すらすらと、謎掛けを読み解く照手姫、

はたして、末尾に一首あり。

…恋ゆる人は常陸の小栗なり、恋ひられ者は照手なり…

B13022702

…あっ!こんなもの、見たくもないわ!…

「はふ」と、文を二つ三つに引き破り、御簾より外へ、

投げ捨てたのであった。

侍女たちも騒ぎ出し…

B13022703

…これ!そこの商人!

 そなた、大事を人に頼まれて、文の使いをしたのであろう。

 謀ったの!番衆(警護の衆)は居らぬか!

 くせ者ぞ!…

…しまった!仕損じたか!…

慌てふためく後藤左衛門、さあ、どう切り抜ける?

(捨身 二代目CX5)

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2013年2月27日 (水)

春を待つ 2013 (6)

B13022601

入っていたフィルムを、その場で取り出して、

ライツ・ミノルタを下取りに出したわけだが、

その最後のショットがこれだった。

…………

当地だけ、明朝、降雪の予報あり。

例によって、

ミクロ・クリマ=Micro Climat(微小地域性気候)なるべし。

(捨身 ライツ・ミノルタCL Mロッコール40㎜F2 PRO400)

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2013年2月26日 (火)

春を待つ 2013 (5)

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(捨身 二代目CX5)

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2013年2月25日 (月)

説経節「をぐり」を読む(13)

B13022401

後藤左衛門、横山の館に辿り着き、

照手姫の居所「いぬゐのつぼね」へ、つと入り込む。

連雀商人の強み、全く怪しまれることなく、

侍女たちに、例の商品売り込みの口上で取り入った。

今も、中世世界も、流行最先端の化粧品、小間物、輸入雑貨に、

女性たちは魅かれて止まないわけだ。

本文のこのくだりを、「小栗判官絵巻」は実に丁寧に描いている。

以下、シークエンスで場面を追ってみよう。

B13022402

…お好み商品はいくらでも、お持ちして居りますが、

 常陸の小栗殿の裏辻で、こんな文を拾ったのですよ。

 それがしが拝見した限りでは、かなりの手です。

 お気に召したら、お手本に、

 お気に召さなければ、お笑い種にでも…と、

切り出す後藤左衛門、侍女たちは興味津々だ。

B13022403

侍女たち、文を、あーでもない、こーでもないと読もうとするのだが、

ちんぷんかんぷんの内容に笑い合う。

その様子をじっと窺う、後藤左衛門。

B13022404

騒ぎに、御簾の奥から、

…何を楽しそうに笑っているのですか?

 面白そうね。私にも教えて…

ついに、目当ての照手姫がお出ましになった。

B13022405

文を手に取る照手姫、上書きを見て、

…あら、この筆跡はなかなかのものです。

 香も宜しい。主は誰だか知らないけれど、

 文で人を殺すほどだわ。

 何も知らずに、勝手なことを云うものではありませんよ。

 今、読むから、よくお聞きなさい…

後藤左衛門の謀りごと、此処までは、まんまと運んだのが…

(捨身 二代目CX5)

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2013年2月24日 (日)

説経節「をぐり」を読む(12)

B13022301

連雀商人の後藤左衛門、さればと膝を打ち、

…存ぜぬと申せば、諸国を経巡った甲斐もござりません。

 武蔵・相模両国の郡代に、横山殿のご息女、

 照手姫(てるてひめ)と申せば、その美しさたるや…

言葉を極めて、語り出す。

小栗 黄金十両を取り出して、

…すぐに仲人いたせ、商人!

 これは当座の引き出物だ。上首尾なれば、

 勲功に褒美は望み次第ぞ…

後藤左衛門

…位高き御方の仲人いたす上は、

 念のため、ほんの御一筆でも、お書き下され…

小栗、斜めならず喜び、筆を執り、文をしたためる。

後藤左衛門、…承ってござある…と、

千駄櫃に文をばとつくと入れ、連尺掴んで肩に掛け、

横山館へ向かって、走り出した。

蓮雀商人は、人並みはずれた健脚を誇ったのであろう。

日焼けした骨太な体つき、武術のひとつも、

修練していたかもしれぬ。

巧みな話術に加え、情報感覚、組織力(連雀衆を統べる)…

この時代、各地の領主たちは重宝したに違いない。

間者(スパイ)、使者には持ってこいなわけだ。

B13022302

(捨身 S100/二代目CX5)

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2013年2月23日 (土)

“LEICA CL”に持ち替える

B13022201

早春恒例、銀座松屋中古カメラ市(~2/25)へ往って来た。

三日目、週末前とあって、楽に観られたのだけれど、

初日に目ぼしいものは出てしまったらしく、収穫無し。

帰りがけ、想いついて、銀座教会上L社を覘いてみたら、

ライカCLの外箱付ミント(新同品)ボディを発見する。

値段も悪くなかったので、その場で所用の、

ライツ・ミノルタのほうを処分し、手を打つ。

未使用のケースとストラップ、往時の製品目録、

代理店サービス案内も入っていた。

ついでながら、ライカ50周年記念のエンブレム付だったのは、

全くの偶然である。

その年は1975年だから、38年は経っているわけだ。

…………

最近一寸、観音経を勉強して居る。

即ち効験現れ、現世利生を齎す。

念彼観音力…(観音を念じよ!)

(捨身 二代目CX5)

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2013年2月22日 (金)

説経節「をぐり」を読む(11)

B13022101

連雀商人・後藤左衛門の口上の面白さに、聞き入る小栗。

彼が扱う商品と云えば(諸国廻り、持ち物、薬品類は既述)

…なに紙か、板の御用、紅や白粉、畳紙、

 御におひの道具にとりては、沈、麝香、三種、蝋茶と、

 沈香の御用…

(文具、レター用紙、織物、化粧品、香、茶…まぁ、輸入雑貨か)

と、調子宜しく、立て板に水の如しである。

本文のこのくだりで、中世世界の、連雀商人の何たるかが、

よく判るのだけれど、何やら、宣伝文句のようでもあり、

説経節に巧みに盛り込まれた感じがしないでもない。

「後藤左衛門」と云う名も、ひょっとしたら実名で、

聴衆が「あのね!」と、手をたたいたかも知れぬ。

小栗は上機嫌で、一献進める。

…姿形は卑しけれども、心は春の花ぞかし。小殿原、酒一つ…

酌に立った小姓、後藤左衛門へ耳打ちするに、

…なぁ、この殿は、未だ御台所が決まっていなのだ。

 おぬしは、諸国を廻っているから、よく存知居ろう。

 何処かに見目良き方が居られたら、仲人いたせ。

 さぁ、引き出物が出るぞ…

下は、まさにその場面、手前に置かれた脚付の折敷に、

引き出物の「黄金十両」がのっている。

B13022102

(捨身 S100/二代目CX5)

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2013年2月20日 (水)

春を待つ 2013 (4)

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春雪哉。

多摩丘陵では、一時激しく降る。

多摩川縁まで下ると、殆ど積雪を観なかった。

所謂「ミクロクリマ」=Micro Climat(微小地域性気候)ってやつか。

重~い!伊太利亜陸軍所用の長靴を引きずって、都心へ向う。

新橋、パナソニック汐留ミュージアムにて、

「日本の民家 1955年 二川幸夫・建築写真の原点」(~3/24)

を観る。

作品を壁面に沿わせず、天井から吊るす展示方法。

吊るされたパネルの間を、クネクネト曲がる順路と、

何故か足元に置かれたキャプションで、忙しく視線を動かす。

一寸疲れる写真展だった。

(捨身 二代目CX5)

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2013年2月18日 (月)

説経節「をぐり」を読む(10)

B13021701

さて、目出度く、常陸の「大将」に落ち着いた小栗だったが、

ここに、怪しげな来訪者が登場する。

後藤左衛門と名乗る、所謂「連雀商人」である。

彼は、屋形の庭より声をかけ、言葉巧みに縁へ歩み寄る。

それを見た小栗、つい興に乗って、いろいろと問うに、

…商人の負うたるはなんぞ?

…さん候。唐の薬が千八品、日本の薬が千八品、

 二千十六品とは申せども、まづ中へは、千色ほど入れて、

 負うて歩くにより、総名は「千駄櫃」と申すなり…

…かほどの薬の品々を売るならば、

 国を巡らでよもあらじ。国をばなんぼう巡った?

…さん候。きらい、高麗、唐へは二度渡る。

 日本は旅三度巡った…

これを口から出任せと…言い切れないのが中世世界…

物語は大きく展開し始めた。

B13021702

(捨身 Canon S100)

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2013年2月17日 (日)

説経節「をぐり」を読む(9)

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小栗と姫(その実、深泥池の大蛇)の甘美な日々は、

長く続かなかった。

…二条の屋形の小栗と、深泥池の大蛇と、夜な夜な通い、

 契りをこむる…と、都わらべの噂に上るようになってしまう。

父兼家は激怒、小栗を「壱岐・対馬」へ流そうとするが、

母御台のとりなしで、自らの領地、常陸へ流されることに決まった。

流人とは謂え、時ならぬ京降りの貴種を迎えた常陸では、

小栗に「判官」の敬称(検非違使の判官に因むとされるが、

 地方の国司職に関わる、勘解由使の判官とも考えられる)を、

奉り、侍たちが「大将」に担ぎ上げる。

場面下、常陸の諸侍、番を組んで畏まり、出仕の態である。

B13021602

(捨身 Canon S100)

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2013年2月16日 (土)

説経節「をぐり」を読む(8)

B13021501

深泥池の大蛇は、さるものだった。行動も素早い。

小栗が向かう、鞍馬寺に先回りして、

年の頃なら、十六、七の姫に変化、

「由(ワケ)有り顔」で佇み、待ち構えるのだ。

案の定、小栗はイチコロになってしまう。

場面は、これこそ毘沙門天の御利益と、狂喜した小栗が、

急ぎ「玉の輿」を用意させるところ。

袖で顔を隠し、堂の階で小栗を見遣る姫(その実大蛇 下部分)

中世のナンパスタイルとも、云えなくもないな。

ついでながら、中世後期の説話では、蛇→美女 の変化は、

逆の、美女→蛇(道成寺縁起)とともに、よく見受けられる。

ひょっとしたら、この感覚…現代でも通ずるものがあるかもしれぬ。

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(捨身 Canon S100)

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2013年2月15日 (金)

春を待つ 2013 (3)

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BS歴史館「壬申の乱!“日本”を築いた内乱」を視る。

ある意味、現代まで続く、この国の形を作ったとも言える内乱で、

古代史では、最も重要な事件ではないのか。

漸く、光が当たりつつあるようだ、研究の進展に期待しよう。

(捨身 二代目CX5)

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2013年2月14日 (木)

春を待つ 2013 (2)

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(捨身 二代目CX5)

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2013年2月13日 (水)

説経節「をぐり」を読む(7)

B13021201

小栗は良き妻を得るため、「申し親」である鞍馬の毘沙門天に、

祈願することを思いつく。

ある日の雨中、笛を吹きながら、鞍馬へ向かう途中、

彼は深泥池(みぞろがいけ)の畔で、大蛇に「見られて」しまう。

中世世界で、異形のものども、

(仏神はもとより、亡霊、物の怪、疫病神…もろもろを含む)から、

「見られる」ことは、ぞっとするような恐ろしいことなのである。

つまり、それらのものどもに憑依(または結縁)され、

異界(地獄や極楽も)へ引きずりこまれることを意味するのだ。

本文の、大蛇の台詞が効いている。

 「あら、面白の笛の音や。この笛の男の子を一目拝まばや」

 (ああ、なんと素敵な笛の音!この笛の男子を一目見たいわ)

と、十六丈(48m)の大蛇は、さらに二十丈(60m)まで、

伸び上がって、小栗を覗き「見よう」とする。

 「あら、いつくしの男の子や。

 あの男の子と、一夜の契りをこめばや」

 (ああ、なんとイケメンなの。あの子と一夜を共にしたい!)

まぁ、実に、あっけらかんとした物言いなんだけど、

大蛇でなくとも、この時代の女子なら、さも呟きそうな感じだ。

説経節を聴いている、辻の人々も、どっと笑ったに違いない。

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(捨身 二代目CX5)

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2013年2月12日 (火)

春を待つ 2013 (1)

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漸く、梅の蕾が弾けだした様だ。

フィルムカメラを持って、外へ飛び出して居た。

(捨身 二代目CX5)

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2013年2月11日 (月)

説経節「をぐり」を読む(6)

B13021001

小栗は何不自由なく、すくすと育つ。

東山の寺で、当時最高の教育を受け、才は並びなく、

順調に、十八には石清水八幡の神前で元服を遂げる。

しかし、常軌を逸した、其の性も明らかになっていく。

妻を迎えるに、三年余りで、何と七十二人…

しかも、髪が長ければ、蛇身の相…

顔が赤ければ鬼人の相… 色が白ければ雪女…と、

一々、難癖をつけて、離縁を繰り返したのだった。

 (場面上 列をなして、次々と下がって往く女性たちと、

  ふんぞり返る小栗。背後から何言が投げつけているようだ)

本文に「小栗不調な人なれば…」とあるが、著しく、

性格がむら気で、飽きっぽい、我がまま、ということなのだろう。

まぁ、周囲が大事にし過ぎて、か様に、

(今で謂えば、とんでもなく嫌なヤツに)育ちました、と云うわけだ。

そんな、心持ちが呼んだのか、

程なく彼に、人生最初の災難が降りかかる。

(捨身 二代目CX5)

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2013年2月10日 (日)

説経節「をぐり」を読む(5)

B13020901

そもそも、小栗判官とは、都に並びなく、富み栄えた、

二条大納言兼家の子である。

しかも、鞍馬寺の毘沙門天に参籠して得た、

「鞍馬の申し子」であった。

場面は鞍馬寺に参籠する兼家の御台所。彼女は堂上の畳に臥し、

侍女たちは回廊で夜を明かす。階下には、供の男性たち控えるが、

堂上へ目をやり、気になる様子なのは、兼家であろうか。

堂内に立って、夢告する毘沙門天は、

「ありの実」(三つ成りの梨)を持ち、御台に授けようとしている。

因って、小栗判官の幼名は「有若」と云う。

ところで、昨日も触れたけど、

説経節「をぐり」の通奏低音は、観音信仰ではないかと想っている。

毘沙門天は、財や子宝を授けるとされるが、

その一方で、観音三十三応化身の一つ、「毘沙門身」なのだ。

つまり、小栗は「観音の申し子」とも謂えるわけだ。

(捨身 二代目CX5)

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