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2013年10月10日 (木)

舟木本・洛中洛外図を観る

B13100803

今回の東博特別展の、愉しみの一つに、

各時代の洛中洛外図の観比べがある。

代表的な洛中洛外図が、応仁文明の乱直後の、室町末期から、

安土桃山、江戸初期までの間に描かれたので、

その間の、つまり、戦国時代の人々の、風俗の移り変わりが、

手に取るように判るのだ。

岩佐又兵衛の舟木本・洛中洛外図の人物描写は、上杉本同様、

一人ひとりの大きさが、僅か25㎜程度に過ぎない。

しかし、その筆致の力強さと、細密さには目を奪われる。

大坂の陣前後、慶長・元和期(1597~1624頃)の京の賑わい。

京・五条通りで、扇を商う店先の光景だ。

扇を作り、売るのも女性である。

中世世界では、扇は、特別な霊力を持つと信じられていた。

また、上記のように女性が扱うものとして、

性的なシンボルとも、看做されることがあった。

店の左角で、笠を被り、扇で顔を覆い、辺りを窺う男、

これも、扇を使った、中世的な仕草の一つだ。

往来で、突然、何か異な状況に遭った時、とる行動である。

彼の視線の先に、笠を被り、木箱を抱える熊野比丘尼たちがいる。

彼女たちが持っている箱の中には、

絵解きに使う、掛軸が入っているのだろう。

熊野比丘尼たちも、やがて、聖なる存在から、

遊女のような、存在へなって往く。

(捨身 Canon S110)

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