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2014年2月16日 (日)

七十一番職人歌合を観る(10)

B14021401

「上杉本・洛中洛外図屏風」より、「弦売」(つるめそ)としての、

生業に従事する、「犬神人」(いぬじにん)の姿を示す。

川通りの弓屋での光景だ。格子戸に立掛けられた弓、

店内では、弓が作られているようだ。

頭に白帯をからげ、柿色衣を着た「弦売」が、

店先(右端)で、弓弦を張っている。

ちょうど、二人の武士風の客が、それぞれ弓を求め、

店から出てきたところだ。

祇園社の「犬神人」は、かつて、朝廷の兵部省に属した品部、

弓削部(ゆげべ)や、矢作部(やはぎべ)の末裔と、

称してきたことを、弓弦を商う、由来としていた。

ところで「犬神人」の、「犬」の字のことである。

「犬」には、「イヌブナ」のように、似て非なるものの意味がある。

「神人」の中でも、一段低く観られ、

あるいは、穢れの「清め」を務めてきたせいで、

「神人」であっても、「非人」と看做されていたからなのか。

「我ら賤しき身品(みしな)なれど」と表した口上が、切なく響く。

(捨身 Canon S110)

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