« 七十一番職人歌合を観る(12) | トップページ | 七十一番職人歌合を観る(14) »

2014年2月20日 (木)

七十一番職人歌合を観る(13)

B14021901

七十一番歌合は、室町末期には成立したと考えられるが、

原本は失われ、残っているのは、近世の写本のみである。

今まで紹介したのは、江戸期の版本で、絵も白描だけど、

元は絵巻物だったらしい。

今回は、大名家に伝わる、彩色された豪華な写本より引く。

洛中の辻子(辻子については、こちらを参照)にて、

「辻子君」(ずしきみ=遊女)が営む、遊女屋での光景だ。

因みに、遊女屋とは、近世からの云い方で、

当時は「傾城局」(けいせいのつぼね)と呼ばれていた。

「傾城局」の戸口、客の男が、おずおずとした様子で立っている。

添えられた吹き出しの台詞を、右から追っていくと、

 (右手上 奥から顔を見せた辻子君に驚いて)

…や、上臈(客の男)

~おや、上臈(じょうろう)!

 (ついでながら、上臈とは、高貴な女性の意味だが、

  中世世界では、遊女を指すことが多かった。

  近世の女郎と云う言葉は、此処から転じたものだ)

…いらせ給へ(辻子君)

~お入りになって。

…ゐ中人にて候(客の男)

~田舎者でござりますよ。

…見知りまいらせて候ぞ。いらせ給へ(左手下、客引き女)

~お顔は、よく存知上げておりますよ。 

 さあ、お入りになって下さいまし!

とまぁ、こんな感じか。

客の男は、笠、長羽織、高足駄(高下駄)

打ち刀を帯に差し、袖で顔を隠す(無縁を表す、覆面だろう)

右上の「辻子君」は垂髪、左下の客引き女は、桂巻姿だ。

(捨身 Canon S110)

|

« 七十一番職人歌合を観る(12) | トップページ | 七十一番職人歌合を観る(14) »

歴史(中世史)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 七十一番職人歌合を観る(12) | トップページ | 七十一番職人歌合を観る(14) »