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2014年2月13日 (木)

七十一番職人歌合を観る(8)

B14021201

引き続き、中世世界の覆面をする職人たちを紹介する。

「弦売」(つるうり または、つるめそ)弓弦を売る人々だ。

黒漆塗笠を被り、覆面に小袖、左手に丸く束ねた弦を持ち、

右手を、弦を入れた曲げ物桶の上に置く。

彼らは「犬神人」(いぬじにん)と呼ばれる、

祇園社(八坂社)に属した、非人たちだった。

洛中、境内の、穢れの清め(清掃、葬送、刑罰の執行)

祇園祭の、山鉾巡行の先触れ(先導役)を務める傍ら、

弓弦売りなどを生業とした。

毎年正月に、柿色衣、白覆面姿で、

護符、縁起物を売り歩くのも、彼らであった。

覆面の意味は、諸説あってはっきりしない。

仏神に仕える(僧兵のか頭=袈裟覆面も)常人ならぬ、

異界に属する者、あるいは、俗世との縁を断ち切った、

存在であることの、表象とでも、捉えようか。

覆面の下は、僧形であることが多かったようだ。

添えられた吹き出しの台詞は、

…弦召し候へ。

 ふせづるも候。

 せきづるも候…

~弦はご入用でございませんか。

 ふせ(布施=丹波国)産の弦もございます。

 せき(関=伊勢国)産の弦もございますよ~

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コメント

毎回興味深い人たちが登場します。この弦は、昨日ツイッターで見たお水取り竹送りに写っていた松明をつくる部品としてのツルとそっくりです。いろいろな用途があったのでしょうね。蔓でなく弦というのは、何か楽器に関係があったのでしょうか?
それにしても、こんな職人の技のなにかしらが奈良や京都には今でも受け継がれているのですよね~(杣人の説明もありがとうございました)

投稿: 糸でんわ | 2014年2月13日 (木) 16時26分

弓弦(ゆみづる)ですね。麻糸(カラムシ)から作ったようです。
今でも、京都・奈良には、中世世界からの系譜を引く技術を持った人たちが居ると想います。掛け替えの無い存在でしょう。

投稿: kansuke | 2014年2月13日 (木) 22時46分

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