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2014年3月15日 (土)

七十一番職人歌合を観る(30)

B14031302

中世世界では、鍋釜は、持つべき財産であった。

持ち運び出来るから、動産の類であろうな。

必ずしも、安価とはいかなかっただろうが、

いずれも、市庭で自由に求められたはずである。

その市庭の「鍋売」(なべうり)が挙げられている。

彼は、鍋を作った職人=「鋳物師」(いもじ)の存在を、

暗示するとも、謂えなくもない。

図像は、侍烏帽子、直垂袴、草履を履く。

左手に注ぎ口付の鍋を持ち、右手で釜を指し示すのか。

傍らに、脚付の鍋が三枚重ねられ、大きな鍋も一枚。

添えられた吹き出しの台詞は、

市庭で交わされる、売り言葉らしくて面白い。

…「播磨鍋」(播磨国名産の銅鍋。播磨鋳物師が作る)

 かはしませ。

 釜もさふらうぞ。

 ほしがる人あらば、仰せられよ。

 弦をもかけてさう…

~「播磨鍋」をお買いさないな。

 釜も御座いますよ。

 欲しいお人は、お言い付け下され。

 鍋に弦(把手)も掛けて進ぜましょう~

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