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2014年5月25日 (日)

富士吉田口へ(8)

B14052401

裏座敷の上段の間から、屋敷最奥部を覗く。

園池と竹林、屋敷神の稲荷社が祀られ、屋敷墓があった。

実に不思議な空間で、ある種、神聖さも漂う。

注連縄が張られた古木は、高野槙だ。

樹齢200年は越えると云うが、ひょっとしたら、

この宿が立てられた、元亀三年(1572)まで遡るかもしれない。

高野槙は水に強く、船材、桶材、橋梁材 棺材等に用いられたが、

御師・外川家の、先祖出自の記憶を留めているような気もする。

B14052402

宝珠と打出の小槌を象った、座敷の釘隠し。

講中の寄進によるものだ。

B14052403

食膳の什器類。

飯茶碗に、講中の印しがあしらわれる。

これらも、講中の寄進により、誂えられた。

食事は、専門の料理人が作り、

江戸期までは、精進料理が中心だったようだ。

B14052404

風呂場は、主屋の坪庭に面したところにあった。

近代に入って、タイル張りに改装されている。

昭和三十年代後半まで、現役だったのだ。

(捨身 Canon G1X)

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民俗」カテゴリの記事

コメント

高野槙で思い出したのは、先日皇后様の帽子を製作した平田暁夫さんをしのぶ会で、皇后様が祭壇に手向けられたのがこの枝でした。生命力のある木で、高野山でもそのように用いられているのだそうですね。

投稿: tae | 2014年5月25日 (日) 00時12分

什器類はおめでたいモチーフでまとめられていますね。
高野槙は高野山のお土産になっています。我が家でも法事などの帰りには必ず買い求めて、お仏壇に供えますよ^^
(お花より何倍も長持ちするのもいいんですよね)

投稿: 糸でんわ | 2014年5月25日 (日) 08時54分

糸でんわ様、そちらでは身近な木なんですね。そういえば悠仁親王のおしるしでもありましたね。

投稿: tae | 2014年5月25日 (日) 22時55分

taeさま
針葉樹を含む常緑樹は、目出度き「常盤木」で、霊力の強さで、様々な宗教儀礼に使われてきたと想います。そういった木々を中世人が、何らかの切実な意図を持って、植え続けていた…それが各地の探索地で見つけた巨樹古木群ですね。とても魅かれています。

投稿: kansuke | 2014年5月25日 (日) 23時02分

糸でんわさま
御師屋敷は什器類を含め、建物全体が富士講の人々の寄進で出来上がっています。仰るとおり、釘隠しから始まって、全てお目出度いモチーフですね。奥庭の高野槙、謎解きをしてみたいのですが、果たして…

投稿: kansuke | 2014年5月25日 (日) 23時12分

taeさま
ご教示ありがとうございます。そんな習わし一つをとっても、この国の風土や伝統を理解するための手がかりが、皇室には毅然と存在するということなんですね。

投稿: 糸でんわ | 2014年5月26日 (月) 07時36分

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