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2014年8月11日 (月)

中世世界の巡礼者のイメージ(4)

B14081001

「巡礼者」という、一つのキイワードがあれば、

「上杉本・洛中洛外図屏風」の世界へ、

際限無く、入って往けそうになる。

前回の、一条小川の「革堂」(こうどう)を出て直ぐの路上で、

再び、二人連れの巡礼を見つけた。

ちょうど、供僧を従えた「聖」(ひじり)と往き逢ったところだ。

「聖」は錫杖を、年老いた僧形の男の頭上に翳し、

巡礼たちは手を合わせる。

 「聖さま。ようやくこの年で、素懐叶い、

  西国三十三所参りへ罷れましたわい。

  ほれ、この倅めが支えてくれまする」

 「ほう、それは奇特なこと。

  道中煩い無きよう、念じて進ぜよう。

  南無阿弥陀仏…別しては南無観世音菩薩…」

 「有り難や…有り難や…」

そんな会話が聞こえてきそうだ。

両人とも、白小袖に脚絆、背に筵を巻き、

年老いた巡礼は、定番の墨書した「笈摺」を羽織る。

もう、かなりの札所を巡ってきた様子で、

真っ黒に、日に焼けているのが判る。

(捨身 Canon S110)

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