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2014年9月 4日 (木)

江の島に至る(20)

B14081801

「下之宮(坊)」参道石段脇に立つ、

元禄年間の「えのしまみち」を示す道標。

これを寄進した人は、杉山検校(和一 1610~94)と云う。

江戸初期に、江戸で活躍した鍼灸師で、

琵琶法師、管弦、鍼灸按摩を生業とする盲人たちが組織した、

「当道(座)」を束ねる「関東惣検校」の立場にあった。

後ろの「福石」とは、彼が江の島へ参詣した際に、

躓いて転び、気を失ったが、弁財天の功徳で、

夢中に新療法を感得したとする、目出度い石なのだそうだ。

もとより、こういった伝承が創られた背景には、

中世世界より、盲目の諸芸に携わる人々(ごぜも含めて)の、

江の島明神に対する、深い信仰があったのではないか。

弁財天信仰の、庶民への広がりも窺え、興味が尽きない。

B14090301

実は、島内に杉山検校の墓所もある(墨田区の弥勒寺にも存在)

参道の石段手前、二の鳥居右横の朱塗り橋を渡って、

一寸下った所なのだが、目立たず、訪れる人も殆ど無いので、

まず、見落としてしまいそうだ。

勿論、足を踏み入れてみた。

B14090302

江の島に、このような墓域が隠れていようとは、意表を突かれる。

目前に「西の浦」(この字名も意味深だ)の海を臨み、

まさに、異界の雰囲気満点なのだ。

(捨身 Canon G1X)

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