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2014年9月 9日 (火)

江の島に至る(25)

B14090801

いきなり、漆黒の闇の中へ。

海食洞「岩屋」(岩屋本宮)の内部に入ってみた。

現状は、遊歩道と照明が完備され、危険は感じない。

でも、近代に至るまで、此処は絶えず、荒波に洗われ、

荒天時は、参拝が難しかったようだ。

そのため、季節によって、神体を丘上の「御旅所」

(現・奥津宮)へ移し、便を図るようになったのだ。

唯、吾妻鑑に記す、文覚が最初に八臂弁財天を勧請し、

秘密の修法を行ったのは、この海食洞であったろう。

頼朝と供の屈強な武士たちは、文覚の背後に居並び、

手に手に、念珠を握り締めて「秀衡調伏」を祈ったのだ。

立派な堂舎のようなものは、まだ無かったはずで、

当時は、本来の「龍穴」であった。

(岩屋と呼ぶのは、室町期より後だろう)

程なく、波打ち際の狭い岩場に、小さな堂が設けられた。

太平記に云う、北条時政参籠の場は、その堂だったと想われる。

託宣を下した江の島明神が、大蛇の姿で、

直ぐ海へ入って往くのを、時政が見送ったとあるからだ。

B14090802

現在、洞内では、近世の石仏群が展示されている。

おそらく、中世後期は、人々の結縁のための石造物で、

溢れていたのではないか。

近世に、目ぼしい中世の石塔類が持ち去られ、

維新期の廃仏毀釈で、殆どの石造物が破却されたのだろう。

これらの石仏たちは、その中で、辛うじて残ったものかもしれぬ。

上は、琵琶を抱える、芸能神に変じた「妙音弁財天」 

下は、剣に巻きつき呑む龍神=「倶利伽羅竜」だ。

B14090803

(捨身 Canon G1X)

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