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2014年10月 2日 (木)

願人坊二態(1)

B14100101

シーボルトが長崎の町絵師・川原慶賀に描かせた、
江戸の民衆、百九態の画帳だが、実に興味深いものなので、
一寸紹介を続けることにしよう。
「願人坊」あるいは「願人坊主」とも呼ぶ二態の画像だ。
江戸市中を徘徊した、何とも不思議な芸能集団である。
外見は僧形だが、もとより、正規の仏教僧ではない。
街往く人々に、護符を配ったり、仏神への願掛けや、
参拝の代行(代参)を請け負ったりして、勧進を勧める。
路上、集団で「住吉踊り」や「金比羅行人」を演じ、
家々に門付け、裸形で立ち、水垢離して、喜捨をせがむ。
所謂「乞食坊主」と変わらず、賤視された人々だった。
その出自は、京都、鞍馬寺の塔頭、
大蔵院と円光院に属した、遍歴の宗教者と云われ、
近世になって、大坂、駿府、江戸へと流入したようだ。
中世世界の鞍馬寺は、比叡山の支配下にあったから、
彼らの立場は、祇園社の犬神人と似ているかもしれない。
やはり、非人の系統に入るのではないか。
実際、寺社奉行の管轄だったと云うのも頷けるわけだ。
上掲は「住吉踊り」の踊り手。
茜色の布を垂らした菅笠を被り、藍染の小袖、
裸足に白脚絆、右手に団扇を持ち、軽快にステップを踏む。
二態目のほうは、明日にでも。
(捨身 Canon S110)

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