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2014年10月 3日 (金)

願人坊二態(2)

B14100201

願人坊主が演じる「住吉踊り」は、四、五人が輪になって踊った。
その真ん中に立つ「音頭取り」の姿である。
茜色の布を垂らした大きな傘を突き立て、
青竹の傘の柄を割竹で叩いて、拍子を取る。
裸足に藍色の脚絆、墨染めの小袖、
僧形の頭を白布で絡げるのか、或いは鉢巻を締めるのか。
「住吉踊り」とは、住吉大社の「御田植」(おたうえ)で行われる、
「田楽踊り」を、願人坊主が取り入れたものだ。
本来は、田楽法師が演ずべき芸能なのだが、
願人坊主と田楽法師の関わりも窺えて、興味深い。
加えて、住吉明神は、市と宿の守り神だ。
中世世界の市庭は、遍歴する芸能者、道々の輩を育んだ、
謂わば、彼らの、神聖なホームグラウンドに他ならない。
願人坊主たちに、住吉明神を格別に恃む気持ちが、
受け継がれていたとしても、不思議ではないだろう。
(捨身 Canon S110)

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