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2014年10月21日 (火)

鳥刺し

B14101501

シーボルトの江戸人物画帳に出てくる「鳥刺し」だ。

「鳥刺し竿」の先に、鳥糯(とりもち)を塗り付け、

小鳥を捕って売る人々のことである。

鷹匠の配下で、鷹の餌を捕るとも云う。

鷹は生餌しか食べないとされたから、

生餌=「餌鳥」(えとり)が必要であった。

そこから、想起されるのは、

中世世界の「餌取り」(えとり)であろうか。

「穢多」(えた)の語源になったと云われるが、

現状、説は分かれ、定説に到っていない。

例の「天狗草紙」に描かれた、河原で鳶を捕らえる、

「穢多童」(えたわらわ)の姿が唯一の絵画史料で、

関連性は、十分に窺えるのではないか。

「弾左衛門由緒書き」に引用される「頼朝御証文」では、

列挙されない職種だが、「長吏」の中に含まれる可能性がある。

江戸近郊に設けられた、各鷹狩り場には「餌取り」に当る、

「鳥刺し」が配置され、狩り場の番人も務めたようだ。

いずれにせよ、未だ実態が明らかになっていない人々であり、

シーボルトの眼にも、如何にも、エキゾチシズムを誘う、

存在と映ったのかもしれない。

(捨身 Canon S110)

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