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2014年12月 6日 (土)

古拙の微笑

B14101702

東博、この秋の特別展「国宝展」も、今週いっぱいで終わる。
連日、長蛇の列で大変だろう。既に十月中旬、観覧したが、
その際、平常展示で気になった絵があった。
戦国期(16C)に描かれた水墨画である。
「仙女図」と呼ぶ。
秦の始皇帝の時代、山間へ入り、
遂には、仙人と化したと云う、官女の姿を題材にしたものだ。
類画は、幾つかあるようだが、
概して、珍品の範疇に入るのではないか。
まず、装いが面白い。
結髪に素足、毛皮、樹葉の蓑を纏い、
仙果とされる桃の枝を松杖に引っ掛け担ぐ。
持物は、左腕に掛けた風呂敷状の袋に、
山中で採れた果実、経巻を入れ、瓢箪を二つ下げる。
もとより、描かれた時代、中世世界の感覚からしても、
「異形」なのだが、山に棲む職能民=山民として、
このような女性が居たとしても、おかしくないと想うのだ。
やや、こちらを見遣り、
不思議に微笑む彼女に、何故か魅かれた。
所謂「古拙の微笑」(=アルカイックスマイル)を、
地で往っているわけだ。
(捨身 Canon S110)

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美術史」カテゴリの記事

コメント

布の使い方とか持ち物、箕といい、ずいぶんリアルで。一方で浮世離れしたところもあり、心惹かれるものがあります。おもしろいものに目が留まりましたね。

投稿: tae | 2014年12月 5日 (金) 23時05分

どうも絵師たちは、渡来品の手本を観て描いたようですね。でも、個々の絵師にしてみれば、イメージを自分の身近に求めたとも想えます。いずれにせよ、インパクトは相当なものでした。

投稿: kansuke | 2014年12月 6日 (土) 18時14分

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