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2015年7月23日 (木)

説経節「をぐり」を読む(18)

B15072103

父横山殿、騒ぎを聞き付けて、
「押し入りの婿入りとは、怪しからぬ。
 武蔵相模の勢七千余騎を催して、小栗を討ち取ってしまえ」と、
息子たち五人を集め、謀議を廻らした。
嫡男の家継が諌めるには、
「小栗は尋常ならざる強者。この際、御味方につけるべきでしょう」
しかし、父横山殿大いに腹を立て、彼を退席させてしまう。
すると三男の三郎が進み出て、
「まずはご対面と、小栗を誘い出し、酒席を設け、
 なにか一芸を所望されては如何。
 例の奥州の人喰い馬、鬼鹿毛に乗らせれば、
 いつも人秣(ひとまぐさ)と心得、小栗を喰ってしまうのは必定。
 太刀も刀も要りませぬわ。父上」
「よくぞ申した三郎!」
早速、小栗が居る、いぬゐの局へ使いを立てた。
「こはめでたや」と小栗、この招きに易々と応じたのだった。
幔幕を引き上げ、意気揚々と宴席へ入る小栗、
丁重にも、左手の上座へ誘われる。
右手の下座に控える父横山殿、一献、二献と勧めるうちに、
曰くありげな目付きで切り出した。
「小栗殿、なにか都の芸一つ、ご披露頂けぬかのう…」
B15072102
(捨身 Canon S110)

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