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2015年8月 5日 (水)

説経節「をぐり」を読む(31)

B15080401

さて、舞台は一転する。
ここは何処か。
冥府、つまり、冥界に在ると云う「閻魔の庁」である。
今、閻魔大王とその眷属、牛頭馬頭、羅刹たちの御前に、
小栗と十人の殿原たちが引き出されている。
閻魔大王、御覧じて、
「あの小栗と申すは、娑婆では、大悪人の者なれば、
 阿修羅道へ落とすべし。
 十人の殿原は、主従で巻き込まれた非法の死なれば、
 娑婆へ戻して取らそう」
B15080402
すると十人の殿原たち、口々に申し上げるに、
「大王さま。小栗殿一人をお戻しあって、
 我ら十人の者ども、浄土であれ、阿修羅道であれ、
 咎に任せて、送られよ」
「さても汝らは、忠義の輩であることよ。
 十一人とも戻してやりたいが、十人は既に火葬となって、
 体無ければ、詮もなし。
 この儘、冥府に留まって、我らに仕えてもらおうか。
 さあらば小栗一人を戻せ」
閻魔大王の沙汰が決まった。
B15080403
但し、条件が付く。
藤沢・遊行寺のお上人「めいとう聖」宛ての言伝を、
大王自ら、胸札に記したのだ。
気になるその内容については、後ほど触れよう。
B15080404
「にんは杖」と云う杖で、閻魔大王が、はったと虚空を打つと、
小栗は一足飛びに、再び娑婆の世界へ…
(捨身 Canon S110)

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