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2015年8月20日 (木)

伊豆の国にて(5)

B15081901

江川氏は、平安末期に韮山へ移住した、
清和源氏宇野氏流を称する伊豆の名家だ。
少なくとも、鎌倉期頃から、
当地に蟠踞した一族なのであろう。
戦国期には、小田原北条氏に仕えたことが、
明らかになっており、中近世を通じて、
ここ韮山城の膝元に、ずっと館を構えてきたようだ。
江戸期に入ると、
伊豆、駿河、甲斐、相模、武蔵(計二十万石とも)に及ぶ、
広大な幕府直轄領を治める、代官職を世襲した。
幕末期の当主、江川太郎左衛門英龍(ひでたつ)は、
洋学に造詣が深く、開明派の幕臣として知られる。
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主屋の内部は史料館になっている。
中へ入ってみよう。
B15081903
まず、五十坪の広さがある土間だ。
巨大な釜戸と、幕末期の野砲のレプリカが展示されていた。
江川英龍は、西洋式砲術の専門家でもあり、
この主屋で私塾を開いて、各藩の藩士に教授したと云う。
江戸湾の台場や、韮山反射炉の建設も彼の仕事だった。
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土間には天井が無く、観上げると、
巨大な屋根の内側の、架構が露わになっている。
主な梁や柱には、手斧(ちょうな)槍鉋痕がはっきりと認められ、
想わず観惚れてしまうほどだ。
もとより、用材の手斧、槍鉋痕は、中世建築の証しで、
江川家住宅に秘められた歴史を物語っているわけだ。
(捨身 Canon EOS M)

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