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2015年12月22日 (火)

説経節「をぐり」を読む(44)

B15122001

新しい国司様、たってのご所望である。
君の長殿は、常陸小萩にお酌を命じた。
その道理に負け、御前でお酌に立つ小萩。
もとより二人、お互いの正体にまだ気付かない。
小栗は自ら名乗り、これまでの経緯を語り始める。
「それがし常陸の小栗、横山殿の毒酒で責め殺されしが、
 餓鬼阿弥と呼ばれ、海道七国を土車に乗りて引かるる折、
 美濃国青墓の宿、よろずやの君の長殿の水仕、
 常陸小萩と云う姫が、
B15122002
「この報恩と御礼のため、かように参って居るのだ。
 さあ、常陸小萩殿も誰の御子か、お名乗りあれ」
照手姫、涙に咽びながら、
「何を隠しましょう。かく申す私も、横山殿の一人娘、
 照手の姫にございます。
 父横山殿に相模川へ沈められるところを、
 あなたこなたと売られて、当地の君の長殿のもとで、
 十六人分の水仕を一人でしていたのです。
 あなた様にお逢い出来て嬉しい…」
二人は再び相見えたわけだ。

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