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2015年12月26日 (土)

説経節「をぐり」を読む(45)

B15122401

説経節「をぐり」を通底するのは、既に観てきたように、

観音信仰や熊野権現の霊験譚、時宗との深い関り、

あるいは、因果応報、貴種流離譚であったりするのだが、

物語の終盤で、主人公小栗の口より出る、

「黄泉帰り仕る」と云う台詞も見逃せない。

仮に、一寸乱暴ではあるが、

「をぐり」を一言で括れと謂われるならば、これであろうか。

「黄泉帰り」とは、究極の「目出度き」霊験譚なのだ。

さて小栗は、美濃国青墓宿のよろずや君の長殿を許して、

恩賞を与え、照手と供に常陸国へ戻った。

今度は、毒殺した横山殿に復讐せんと、

七千余騎の兵を集め、まさに出陣の態である。

横山殿は「いにしへの小栗が黄泉帰りを仕り」

無敵の存在になったと肝をつぶし、

空堀に水を入れ、城郭を構えて守りを固める。

しかし、照手の諌めで、小栗は出陣を思い止まった。

娘照手からの書状を読み、悔悛の情を起した横山殿も、

十駄の黄金と、あの人喰い暴れ馬「鬼鹿毛」を進上する。

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