説経節「をぐり」を読む(46)
「恩は恩、仇は仇で報ずべし…」と小栗は、
(この台詞、どこか甲陽軍鑑に出てくる、
有名な信玄作の歌と云う、
~人は城、人は石垣、人は掘、情けは味方、仇は敵なり~
を想起させる。歌自体は同時代のものか、
かなり疑わしいが=江戸初期の後補か?
戦国期に、こんな処世訓が語られた可能性はあると想う)
横山殿から贈られた黄金を使い、
小栗は訪ね探し、恩賞を与えた。
さて、恩は滞り無く返したが、仇の方はどうなったのだろうか。
もとより「をぐり」が成立したのは、中世末の戦国期である。
中世世界ではよく観られた、陰惨で復讐めいた刑罰が免れなった。
| 固定リンク
「歴史(中世史)」カテゴリの記事
- 直義墓所探索の後日談(2017.12.04)
- 七十一番職人歌合を観る(37)(2017.01.10)
- 説経節「をぐり」を読む(48)(2015.12.31)
- 説経節「をぐり」を読む(47)(2015.12.30)
- 説経節「をぐり」を読む(46)(2015.12.28)
コメント